「読書、音楽鑑賞、テニス、旅行、スキューバダイビング・・・」と、これまで経験してきたことをすべて並べているように見える記述を時々目にします。しかし、それでは読み手である人事担当者にはどう映るでしょうか。おそらく「多趣味ですね」で終わってしまうか、「結局、何を深めたのだろう?」と疑問を持たれてしまうでしょう。
一方で、特に男子学生に多いのが「サッカー」とだけ一言で書いてしまうケースです。これでは「サッカーを観るのが好きなのか」「プレーするのが好きなのか」さえ伝わらず、あなたの人柄を感じ取ることはできません。
趣味から伝わるパーソナリティ
就職活動のエントリーシートである以上、趣味の欄も単なる行動記録ではなく、あなたのパーソナリティを表現する場所と考えましょう。単語だけではなく、具体的な動機や楽しみ方を少し加えるだけで、読み手はあなたの姿をイメージしやすくなります。
たとえば「サッカー」であれば、
- 「幼い頃から地域のクラブに所属し、仲間と協力して勝利を目指すことにやりがいを感じています」
- 「観戦するのも好きで、試合を通して戦略やチームワークの大切さを学んでいます」
このように一言添えるだけで、読み手は具体的にあなたの人柄を想像できます。
良い記述例
女子学生のケースで「テニス(10年近く、休日の朝は家族でテニスを楽しんでいます)」という記述がありました。これを読んだ人事担当者はどう感じるでしょうか。
多くの人が家族で和気あいあいとテニスを楽しんでいる姿を想像するはずです。一言「家族と一緒に楽しんでいる」と添えるだけで、ブレのない学生のイメージが広がります。さらに言えば、「家庭を大切にしながら継続的に努力できる人」という安心感や信頼感まで伝わります。
趣味を自己PRにつなげる書き方(例文)
例1:読書
「読書が趣味で、特に経営や心理学の本をよく読みます。読んだ内容をゼミや友人との会話で紹介することで、自分の考えを言葉にして整理する力を磨いています。今後の仕事でも、学んだ知識を活用しながら分かりやすく伝える力を発揮したいです。」
👉 単なる「読書好き」ではなく、「学びを共有して表現力につなげている」とアピールできています。
例2:音楽鑑賞
「音楽鑑賞が趣味で、ジャンルを問わず幅広く聴いています。自分と異なる価値観に触れることで発想が広がり、新しいアイデアを考えるきっかけになります。仕事においても、柔軟に物事を捉え、異なる意見を尊重する姿勢を大切にしたいです。」
👉 趣味が「多様性を受け入れる姿勢」に結びついています。
例3:サッカー(プレー)
「サッカーを10年以上続けています。試合中は瞬時の判断と仲間との連携が欠かせず、その中で自分がチームをまとめる役割を担ってきました。この経験から培った協調性やリーダーシップを、社会人になっても活かしたいと考えています。」
👉 具体的な経験と「強み」を直結させています。
例4:旅行
「旅行が趣味で、国内外問わず新しい土地に行くことを楽しんでいます。旅先での文化の違いや予想外の出来事に対応する中で、柔軟性と行動力を養いました。未知の環境でも前向きに挑戦できる姿勢は、仕事にも活かせると考えています。」
👉 趣味の体験から「柔軟性」「行動力」という社会人スキルを自然にアピールしています。
趣味の欄は、ただ「何をしているか」を書く場所ではなく、自分らしさを伝えるチャンスです。
- 「なぜそれを続けているのか」
- 「そこから何を学んでいるのか」
- 「今後どう活かしたいのか」
この3点を意識すれば、趣味がそのまま自己PRにつながり、読む人に強い印象を残すことができます。
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