エントリーシートの書き方

エントリーシートは学生の本質をチェックしている。シートの作成に当たって、上手い文章やかっこいい文章に気をとらわれないことだ。自分の気持ちを素直に吐露することが最高の攻略法である。
余計なお世話だが、「キヤノン」⇒「キャノン」など代表例であるが、うっかり記述ミスを犯す社名がある。また、「適性テスト」とは正しくかけても、「自分の適性は……」と書こうとして「適正」と誤記しても気づかない学生が多い。細かいようだが誤記などに十分注意を払いたい。

エントリーシートを求める背景を知る

就職協定廃止後、インターネットの普及で企業へのエントリーがオープンになった。想像を絶する応募者数に企業は悲鳴を上げ、書類選考を兼ねたエントリーシートの提出を求めるようになった。もともと、短期決戦の一括採用において、面接で有能な資質を見落とさないように補完する目的で提出を求めたものであった。面接の補完ツールが、いまでは採用選考の中心的ハードルとしてクローズアップしてきた。

人事担当者はシートの記述の中から、学生の人間性なり思考回路を感じ取って採否を判断する。単なる行動記録の記述では人事担当者は当惑してしまうだけだ。ドロドロした人間臭さまで盛り込むとひと味違ったシートが完成する。

エントリーシートは就活生の商品カタログ

就職活動は企業と学生の商談である。商談にはカタログがつきもの。就職活動のカタログがエントリーシートだ。仮に、車のカタログを手にしたとしよう。排気量・馬力・トルクなどデータだけ羅列したもので購入意欲がわいてくるものだろうか? スタイリング・居住性といった付加価値を写真やコピーで説明されて初めて、興味がわき、試乗して見ようかなと心が動くはずである。無機質な行動記録の羅列だけでは企業は飛びつかない。バックグラウンドを補足することが付加価値につながってくる。

「人間性」「思考回路」をいかに伝えるかがポイント

先にも述べたように、採用選考において最終的に採否を判断するポイントは学生の「人間性」と「思考回路」である。「人間性」とは人柄なり感性だ。それらが自社の組織風土に合うかどうかを判断している。また「思考回路」で学生の物事に対する取組み方・解決方法から業務適性をみている。エントリーシートとて同じだ。質問項目に答える際、できる限り身近なエピソードを盛り込んで説明することだ。エピソードを紹介するのではなく、その背景にある心の動き(動機なり結果に至るプロセス)まで盛り込むことを忘れてはならない。そうすれば、相手は行間を汲み取り、ホットな学生の人間像を脳裏に描くことができ、安心して正しい判断を下せるというものだ。

研究課題(卒論のテーマなど)

設問によっては、「卒論のテーマ」とか「重点をおいた科目」などと聞いてくる。要は学業において力を入れたこと(or力を入れていること)は何ですか、ということだ。

人事担当者は、「なぜそういう研究に興味をもったのか」「研究を通して何を学んだのか」記述内容を通して、学生の考え方や取り組み方など本質を見極めたいのである。

エントリーシートは面談する前に提出するもので、学生も人事担当者もお互いに面識がない。心の動き(何を感じ何をしようとしているのか)が盛り込まれていないと読み手は学生の素顔が汲み取れない。かっこいい研究や立派なテーマなど必要ない。「私は普段から××に興味があり、それをもっと深く掘り下げようと△△を研究しています」などと研究の動機から入って研究の取り組み方を素直に自分の言葉で述べればいい。

ここで注意したいことは、かっこつけて「○○理論の構築」などとあまり日常性のない研究テーマの解説に終始しないことである。読み手が門外漢であれば、何のことだかさっぱりわからない。「さぞかし立派なことを研究しているんだろうな。ま、しっかり頑張って!」とエールを送られて一巻の終わりということにもなりかねない。

も一つ注意することは、何かの体験を通して学んだことを記述する場合、過去形で表現しないで進行形にすることだ。どこにその道の専門家がいるかわからない。面接の場で、突っ込んだ質問をされると太刀打ちできない。進行形にしておくと、「いま、そこのところを勉強中です」などと逃げられる。研究課題は学生の本業である。ここでドジを踏みたくないものだ。

学生時代に力を入れたこと

「どういう学生生活を過ごしましたか」と聞かれていると理解していい。「ゼミでこんなことに取り組んでいる私」「サークルでこういう活躍をしている私」など自分の素顔というか自分軸を読み手である人事担当者にぶつけることである。記述内容からその学生が自社にとってふさわしい人材であるかどうかを判断する。学生は判断材料を提示すればいいのだ。余計な脚色や立派な体験など求められていない。

グループワークであれば、仲間とどのように関わってきたのか、心の動きをアピールすることだ。テーマが大きければと大きいほど順調にことは運ばない。プロセスにおいて失敗、失望、苛立ち、挫折など心の葛藤が必ずある。それを乗り越えて目標達成に向けて仲間と一丸となって打ち込んだ様子(連係プレイ、役割分担)を浮き彫りにすることである。

ゼミ・サークル以外に、ボランティア活動などもあろう。こういった活動になぜ興味をもったか、その動機を語ることで学生の本質が見えてくるものである。実際の活動の中で戸惑い苦労したことがあればそれとどう向き合ったのか気持ちを吐露すれば、学生の素顔が浮き彫りになり、人事担当者はブレのない判断ができる。

「アルバイト体験の話は使わない方がいい」などとまことしやかに噂が流れている。例えば、「コミュニケーション能力を養った」と言われてもどうコミュニケーションを養ったのか、そのために何を仕掛けたのか説明されなければ、その学生のパーソナリティをイメージできない。大半が行動記録の羅列で、人事担当者はうんざりしている。「アルバイト体験」と聞いただけで嫌悪感を抱く担当者は少なくない。相手の立場を考えると容易に理解できるはずである。しっかり自分を前面に押し出しアルバイトとどう向き合ったのか記述されれば、まったく問題ないことだ。

自己PRについて

エントリーシートをチェックしていて一番気になるのが「自己PR」である。勘違いしているのではないかと首を傾げたくなるものが多い。

単に「自己PR」ということであれば、得意話でも独りよがりな体験話でもよかろう。しかし、就職活動の「自己PR」である。読み手である人事担当者が、学生の本質(素顔)を見極めるための判断材料にならなければ意味がない。ところが大半のシートは、本質の開示であるという根本の認識が抜け落ちている。

「私は何事も全力を尽くし、結果を出すことにより周囲から信頼を得ました」とか、「わたしはさまざまな体験から目標を定めて、努力することでそれらを達成する強みをもっています」などの書き出しの文章をよく見かける。すごい学生だなと感心はするものの、抽象的すぎて具体的なイメージが膨らまない。感心されて脇に追いやられてお終いだ。

何事もそうそう上手く運ぶものではない。思案し、苦しみ、挫折しそうになり、思いなおして奮起する。そういうことの繰り返しを乗り越えて達成感を味わったはずである。プロセスにおける人間臭さと言おうか熱い思いをストレートに吐露すると、言葉以上に読み手の心に響くものである。

「どのように取り組んで結果を出したのか」「目標に向かってどう道筋を立てたのか」をきっちり説明することが自己PRの最大のポイントである。

長所・短所について

長所・短所を一言で言うと、気に入っている個性が長所、直したいと思っている個性が短所であろう。長所のアピールはさほど問題ないのだが、短所となるとどう表現したらいいのか迷ってしまうという声が多い。あまりストレートに記述して誤解されるのはまずいし、かと言って作り話もできない、さて、どうしたものか。

誰しも欠点をもっている。周囲に迷惑を及ぼすような時間にルーズだったり、短気で喧嘩っ早いなどは、集団生活の中では考え物である。自分の欠点が集団生活の中で許されるものであれば、記述してかまわない。

それも嫌だというのであれば、「面倒見のいいことがつい行過ぎておせっかいになってしまう」といった具合に、長所の裏返しを短所にしたらどうだろう。

エントリーシートは、人事担当者と面談する前に提出する場合がほとんどである。相手はシートの記述内容から学生の素顔を読み取るしかない。文章表現にどうしても囚われがちである。きつい表現、マイナーな表現は相手に先入観を植えつけてしまう。ひいては、誤解を招き自社に不適切な人材という烙印を押されかねない。

気をつけたい表現(言葉)として、「優柔不断」、「無鉄砲な一面」、「あきやすい性格」などがある。無意識のうちに使っているのだが強い先入観を植えつけてしまう。とくに優柔不断なんて言葉は、控え目な性格を表現する時よくでてくるが、人事担当者からみれば、「そのような煮え切らない学生は要らない」と容赦なく切り捨てられる。要注意である。

趣味について

「読書、音楽鑑賞、テニス、旅行、スキューバダイビング・・・」などと、いままでにやってきたことを全部書き連ねているのではないのかと錯覚させるような記述を見かける。読み手はどう感じるであろうか。「多趣味ですね」で終わってしまうか、「物にしたものはあるの?」とあきれ返るだけである。一方で、男子学生によくみられるパターンであるが、一言「サッカー」としか書いていないものだ。これでは、サッカーを見るのが好きなのか、プレイするのが好きなのかわからない。

他項目でも述べてきたが、就職活動のエントリーシートである。記述内容から、自分というパーソナリティを感じ取ってもらわなければならない。行動記録や単語からは何も感じ取れない。サッカーをやっているのであれば、なぜサッカーに興味をもったのか、その動機に触れるのもよかろう。プレイしてその醍醐味を簡単に触れることでもいい。読み手に具体的イメージを連想させるものにしたいものだ。

女子学生のケースであるが、「テニス(10年近く、休日の朝は家族でテニスを楽しんでいます)」という記述がある。これを読んでどう感じるであろう。

よほどへそ曲がりで無い限り、家族が和気あいあいと休日テニスを楽しんでいる情景が目に浮かぶはずだ。一言、テニスの楽しみ方を記述しただけであるが、ブレのない学生のイメージが拡がる。もっと言えば、読み手の人事担当者は、こういう家庭のお嬢さんとなら安心して一緒に働けると思っているものだ。

資格・免許・特技について

秘書検定1級、パソコン検定2級に始まって簿記3級やFPまでスペースからはみ出すほど列記している事例を見かけると首を傾げたくなる。目的があって資格所得に向けて頑張っているというより、資格コレクターではないのか疑いたくなってしまう。

エントリーシートに取得した資格をいっぱい並べたからといって、採用選考が有利に運ぶわけではない。資格はその資格がビジネスに直結して初めて有効なものになる。

資格を記述する際は、力を入れたもの、苦労したものを一つ挙げ、なぜ取得に向け頑張ったのかその動機や過程において苦心したことなど、取得にまつわる奮闘話しを一言触れる方が人事担当者へのインパクトは強いものになる。もしスペースに余裕があれば、他に取得したものを併記すればいい。

免許に関することで、教職課程を履修している学生が、教員免許の取得予定など記入するケースがある。教職につくのであれば不可欠であろうが一般企業では関係ない。逆に、教員試験に受かればそちらに進むのですねと、ばっさり切られるケースが少なくない。要注意である。

運転免許は視覚障害者には取れない。運転免許を取得しているということは、視覚的に問題ないことの証である。実際に面接の場で、身体に関する質問は特殊な職種を除き禁止されている。原付バイクの免許でも取得していれば記入すべきであろう。企業に安心感を与える。

その他、趣味などにおいて自分の人間性を象徴できるものを特技として記入してかまわないし、すべきであろう。

志望動機について

「志望動機」は志望する個別企業への志望理由ではないのか。大半のエントリーシートは、業界の志望理由にはなっているものの、志望する企業への理由にはなっていない。同業他社にまったく同じ志望動機を書いても違和感なく通用してしまう。「どうしてもこの企業で働きたい」という理由になっていないのである。「志望動機が甘いね」と指摘される一番の盲点である。

環境問題や国際性などに関心を寄せるのは素晴らしいことである。ただ、このような大きなテーマから入ると、どうしても業界全体を捉えた話になり、個別企業まで話が及びにくくなり、志望動機が甘くなる。

例えば、お隣のおじさんが志望企業に勤務していたとしよう。その日常の生活を垣間見て、潤いのある生活に共鳴したのであれば、隣のおじさんそのものが、立派にその企業への志望動機になる。身近な話から入っていけば、説得力のある理由づけになる。

志望動機はエントリーシートの中で、志望企業に向けた決意表明であろう。それを安直に、HP・入社案内に書かれている企業理念や経営戦略をパッチワークして、臆面もなく書き綴るのはどうだろう。

実務体験のない企業への志望動機である。企業理念・経営戦略などの理屈でしか理解できないことを動機にするより、自分の肌で感じられるものへの興味を動機にしたほうが説得力は増す。

OB・OG訪問は、相手を納得させる志望動機作りには欠かせない。先輩の仕事ぶりから業務の魅力や組織の空気を感じ取り、「一緒に働きたい」という強く熱い志望動機は仲間の追従を許さないものになるはずだ。

入社したら何がしたいか

自分に何ができるか、何をしたいのか整理ができていない。いい加減な記述もできないし、どうのように書いていいのかわからず、頭を悩ましているという学生が多い。

明確な目的意識をもっていることにこしたことはない。しかしながら、偏差値に左右され大学・学部選択をして入学した学生に求めるのは酷かもしれない。エントリーシートの記述には間に合わなくても、将来を見据える意識だけはもちたいものだ。

本音のところ、人事担当者は何を求めて質問しているのであろうか。ずばり、学生の生き方(自分軸)が知りたいのである。何をよりどころに発想し行動しているのか知りたいのである。

学生時代に寝食を忘れて取り組んだ研究があったとしても、それがビジネスに即通用するというものではない。研究のプロセスで何を感じ、どう向き合ってきたかがビジネスを進める中で生きてくる。求められているものは研究そのものよりも取り組み方である。まさに、その学生の生き方・考え方(自分軸)が求められていることになる。

関心事が他に移り、学業がおろそかになった学生はどうしたらいいだろうか。少なくとも企業研究を進める中で、社員の取り組みを見て(実際の話が聞けないまでも、ホームページなどで触れて)興味をもったものはあるはずである。なければ志望などしないはずだ。現場の業務を見て、どう触発され関心をもったか、「実務体験がないので自分にできるかどうかわからないがぜひ挑戦してみたい」と心の内を吐露することだ。

10年後のキャリアプラン

この設問を大半の学生は「その企業内でのキャリアプラン」と受け止めてしまう傾向にある。設問が「10年後、当社でどのように活躍していると思いますか」とあれば、その企業内での未来像を描かなければならないが、注釈がない限り、自分の職業観を述べればいい。

これから仕事とどう関わって生きていくのか、自分は何をしたいのか、自分に何ができそうなのかを語ることだ。少々夢物語になってもかまわない。夢を実現にするための道筋を考え、達成に向け立ち向かう決意が相手に伝われば十分である。

と言うものの、実務体験がないと、何がしたいか、何ができそうだとか思いつかないものである。どうしても思いつかなければ、その気持ちを素直に表現することだ。

まだ就業体験がないので何ができるのか具体的なことは言えないが、ホームページを見て、あるいはOB・OG訪問して、○○の仕事に関心をもった。入社したらぜひ挑戦してみたいと思っている。実際の配属はどこになるかわからないけれども、自分の役割分担をきっちり果たすことだと考えている。その役割を遂行する中で、自分にできること、やらなければならないことを模索していきたい。3年を目途に自分のテーマの方向性だけでも見つけたいと思っている。5年後には明確になったテーマに基づいて自己申告し、新たな業務に向かっているはずである。10年後には業務に自信が備わってバリバリ活躍している姿が目に浮かんでくる。くらいに目的意識をもって取り組む姿勢を示すことが肝心であろう。

最近、気になったニュースは何ですか

のっけから脱線するが、就職ガイダンスなどで日経新聞を読みなさいと指導される。失礼な話だが、普段一般紙でさえ斜め読みの学生が、日経など読んでポイントを押さえられるわけがない。

朝日、読売、毎日といった一般紙で十分である。スポーツ面や社会面だけでなく、1面から見出しを追っかけて欲しい。気になる見出しには本文まで目を通す。毎日目を通す習慣を身につけておけば、表題の設問などは十分クリアできるし、本番に入り面接に臨んでもしっかり対応できる。

脱線はこのくらいにして、本論に戻そう。
こんな記事を取り上げたら誤解されそうだとか、知性を疑われそうだなどと、あれこれ余計なことを考えて、結局はテレビの報道番組などで取り上げられているトピックスを選んでしまう傾向にある。

時事問題がまずいというわけではないが、ニュースの解説に影響されて自分の意見が出せないで評論になってしまう嫌いがある。

人事担当者は、なぜその問題に興味をもったのか、何を感じたのかなどニュースの選び方で学生の感性なり物事の捉え方を見ているのである。どのような学生かなと読み始めてみると、自分の意見と勘違いしてニュース解説になっていたのでは、面食らい、だまされた気分に陥ってしまうものだ。どのような小さなニュースであってもかまわない。その記事がなぜ目に留まったのか、何を感じたのか記事の内容説明ではなく、自分の心の動きをしっかりアピールすることが最大のポイントである。

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