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去年の二の舞か、今年の就職戦線
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| キャリアカウンセラー 黒住 皓彦 |
頭で理解しても行動が伴わない
新聞報道などで、今春社会人となった新人の就職内定率が80%と厳しいものだったことは記憶に新しい。
自分だけは何とかなるだろう的発想で、就職活動序盤戦に大手企業、知名度の高い企業を選択した。知名度の低い優良企業や中小企業などには目もくれなかった。そのつけが厳しい就職内定率になってあらわれた。
理屈で理解しているものの、どう行動を起こしていいのかわからない。先行き不透明だから、大手企業を選んだなど自己弁護して自分自身をなぐさめているに過ぎない。大手企業だっていつどうなるか誰にもわからない。企業選択自体が甘いと言わざるを得ない。今年の就職戦線の前半戦でも同じ傾向が見られた。
表面化したゆとり教育
「昨年もその兆しはあったが、今年ほど選考で苦労した年はなかった」疲れ切った人事担当者の呟きである。売り手市場から買い手市場に一変したいま、なぜ?素朴な疑問がわく。
大きな受け皿となっている金融業界の多くがリクルーター制をとっている。リクルーター面談を3、4回重ねて人事部の面談に進む。ここで1、2回の面談で内々定となるのが一般的である。
ところが、今年はリクルーター面談が多く7、8回というのが珍しくなかった。なぜか? 学生の対応が曖昧で、何を考えているのか見極められなくて面談の回数だけ増えていったと言う。当然、人事面談も困難を極めた。
お膳立てしてもらうことに慣れきった学生は、自分の気持ちを第三者に伝えることすらままならないようだ。物事に熱中することも少なく、ひたむきさはかっこ悪いなどと勘違いしている節さえ感じられる。ゆとり教育世代のアキレス腱が表面化したと言えよう。
混乱を招いた企業の倫理憲章
混乱の要因は学生のせいばかりではない。企業側の採用広報にも問題があった。今年から、「企業の倫理憲章」に新たな解釈が加わった。従来、曖昧であった採用広報を「広報活動」と「選考活動」に具体的文言で線引きした。セミナーなど広報活動には選考と関係ないことを明示することにしたのである。
ところが、有能な人材を少しでも早く囲い込みたい企業は、広報活動にもかかわらず選考活動をして、コアの人材を確保した。
「直接選考とは関係ありません」と銘打ったセミナーの多くが、選考そのものだった。注釈を真に受けた学生は、主選考からはずれ空回り続出となった。
表向きの採用選考解禁日(4月1日)から1週間も経たないうちに持ち駒をなくし途方にくれる学生があふれたのも今年の特徴であろう。
純粋培養された学生に企業の本音と建前を見抜けということは酷かもしれない。しかし1年先には、ビジネスの荒波にもまれるのである。いつまでも周囲からアドバイスを受けないと行動できないのでは困る。周囲の仲間の動向から状況を判断して素早く行動することも求められるのではなかろうか。
期限付き内定出しの増加
従来も一部の企業では見られた傾向であるが、内定出しの際、「○○日までに入社の意思を固めてください」と期限付き内定を告げる企業が多くなってきた。
一度内定を告げて、指定日までに意思表示できなかったから、内定を取り消すなんてことは社会通念上許されることではないが、内定辞退を最小限に食い止めるには有効な手段になっている。
今年のように厳しい環境下では、本命企業をあきらめて自分に言い聞かせ内定を受諾した話をあちこちで聞く。
就業体験のない学生が迷うのは当然のことで、早い段階で無理やり入社を確定させることは企業エゴであろう。学生も学生である。ギリギリ納得できる企業であれば、入社意思を示し、就職活動を続行させればいいことである。進行している他社の選考に区切りがついたとき、じっくり進路を考えて決定しても遅くはない。この程度の駆け引きができなくては社会人予備軍として先行き思いやられる。
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黒住皓彦 著書

就職本「就活は自分を売り込む商談だ」
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去年の二の舞か、今年の就職戦線

就職情報誌元編集長の就職活動アドバイス
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